【岡山市北区の口腔外科医が解説】口腔がんを早期に発見するために—知っておきたいサインとリスク

【岡山市北区の口腔外科医が解説】口腔がんを早期に発見するために—知っておきたいサインとリスク

口腔がんを早期に発見するために——知っておきたいサインとリスク

「がんは内臓にできるもの」というイメージを持っている方が多いですが、口の中にもがんはできます。口腔がんは決してまれな病気ではなく、日本では年間約8,000人が新たに診断されています。早期に発見できれば治癒が十分に期待できる一方、発見が遅れると治療が大がかりになり、話す・食べるといった日常の機能に影響が出ることもあります。口腔がんについて、ぜひ正しく知っておいてください。

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口腔がんはどこにできるの?

口腔がんとは、口の中の粘膜にできるがんの総称です。発生する部位はさまざまです。

主な発生部位

  • 舌(最多:口腔がん全体の約半数を占める)
  • 歯ぐき(歯肉)
  • 口底(舌の下)
  • 頬の内側
  • 口蓋(口の天井)

組織の種類としては、粘膜の表面を覆う細胞から発生する扁平上皮がんがほとんどを占めます。


早期発見が、その後の人生を大きく左右します

口腔がんは、早期に発見して治療できれば5年生存率が90%を超えるとされています。ところが、進行してリンパ節への転移が起きた状態で見つかると、生存率は大きく下がってしまいます。

問題は、初期の口腔がんが口内炎や粘膜の荒れと見分けがつきにくいことです。痛みがないまま進行することも多く、「そのうち治るだろう」と放置しているうちに進行してしまうケースが後を絶ちません。

こんな症状が2週間以上続いたら要注意

  • 治らない口内炎
  • 白や赤い粘膜の色の変化
  • しこりや硬さを感じる部分
  • 出血しやすい箇所

上記のような変化が続く場合は、早めに歯科を受診することが大切です。

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リスクを高める習慣があります

口腔がんの発生にはいくつかのリスク因子が知られています。

主なリスク因子

  • 喫煙:タバコに含まれる有害物質が口腔粘膜を長期刺激し、がん化を促します
  • 飲酒:喫煙と重なるとリスクはさらに大きく上昇します
  • 慢性的な粘膜への刺激:合っていない入れ歯や欠けた歯による同一部位への持続的な刺激
  • 前がん病変:白板症・紅板症などの粘膜疾患は、がんの前段階として定期的な観察が必要です

ポイント: 前がん病変(白板症・紅板症)については、当院の別の特集記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。


当院での対応——見逃さないための記録と、迅速な紹介

当院では、口腔外科の経験をもとに、気になる粘膜の変化を見つけた際にはまず写真で記録を取り、変化を継続的に追っていきます。口腔がんやその前段階の病変が疑われると判断した場合は、速やかに大学病院の口腔外科へご紹介し、専門的な検査と治療につなげています。

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定期的に歯科を受診していれば、こうした変化を早い段階でとらえることができます。歯のクリーニングや虫歯の確認だけでなく、口の中全体を観察する習慣が、口腔がんの早期発見にもつながっています。

「口の中が何となく気になる」という方は、どうぞ遠慮なくご相談ください。