コラム

歯周病が原因?歯周病と口内炎の関係について

最近、口内炎が増えるのは歯周病が原因?お口のトラブルに実は相互が関係しているかもしれません。今回は歯周病と口内炎の関係や予防するにはどうすればいいのかなど詳しく解説していきます。

歯周病と口内炎について

歯を抑える女性

そもそも歯周病とは

歯周病は、歯と歯茎の境目にたまる歯垢(プラーク)によって歯茎が炎症を起こし、やがて歯を支える骨まで影響が広がる病気です。初期は出血・腫れ・ねばつきなど軽いサインから始まり、進行すると歯周ポケットが深くなり、口臭や歯のグラつきが目立ってきます。
痛みが少ないため放置されやすいのが特徴で、定期的な検査とプロのクリーニングが予防の要になります。

そもそも口内炎とは

口内炎は、頬の内側や舌・唇・歯茎などの粘膜に生じる浅い潰瘍で、白〜黄白色の面と赤い縁取りを伴うことが多い病変です。
直径はおおむね2〜10mmで、しみる・痛むため、食事・会話・歯みがきで痛みが強くなります。

歯周病と口内炎の違い

歯周病と口内炎は、まず「どこが患うか」が違います。歯周病は歯を支える組織(歯ぐき・骨)の病気で、口内炎は口腔粘膜にできる表面の傷・炎症です。症状も異なり、歯周病は歯茎の出血・腫れ・口臭・歯の動揺が目立つのに対し、口内炎は局所の痛みやしみが主な訴えになります。
経過では、歯周病は慢性的に進行しやすい一方、口内炎は多くが1〜2週間で自然に軽快します。

口内炎を悪化させるのは歯周病が関係?

歯を指している女性

歯周病を引き起こす原因

主因はプラーク(細菌のかたまり)です。加えて、喫煙、口呼吸やドライマウス、合っていない詰め物・入れ歯、歯ぎしり・食いしばり、糖尿病などの全身状態やストレス・睡眠不足も悪化因子になります。家庭ケアだけでは落としきれない歯石やバイオフィルムがたまり、炎症が慢性化すると進行します。

口内炎を引き起こす原因

同じ場所を噛む、尖った歯・詰め物・装置が当たるなどの機械的刺激がよくある原因です。さらに、口の乾燥(唾液量低下・口呼吸)、栄養バランスの乱れ、ストレス・寝不足、風邪などの体調低下、薬の副作用、真菌・ウイルス感染などが重なって起こりやすくなります。

口内炎の悪化に歯周病は関係する?

口内炎の悪化と歯周病は関係する場合があります。歯周病でお口の中の細菌量と炎症が増えると、粘膜が傷つきやすく治りにくい環境になります。加えて、歯周病に伴う口臭・乾燥、噛み合わせの乱れや入れ歯・矯正装置の当たり(こすれ)が続けば、口内炎の再発・長期化につながります。
2週間以上続く/年に数回以上繰り返す/同じ場所にできるときは、歯周病の精査も含めた診察をおすすめします。

歯周病や口内炎と間違えられる病気

口内の痛みや白い斑点は、必ずしも「歯周病」や一般的な「口内炎」とは限りません。原因も対処も異なる疾患が紛れていることがあります。
自己判断は難しいため、下記の特徴に心当たりがあれば早めの受診をおすすめします。

・口腔カンジダ症
舌や頬に白い苔状の膜が広がり、拭うと一部はがれて下が赤くただれます。
乾燥・口呼吸、義歯の長時間装着、抗菌薬やステロイド吸入薬の使用で起こりやすいのが特徴です。

・単純ヘルペス性口内炎
小さな水疱が多数できてすぐ浅い潰瘍となり、触れるだけで強く痛みます。
初感染や再活性化で発熱・倦怠感を伴うことがあり、疲労や免疫低下が誘因になります。

・口腔がん・前がん病変(白板症/紅板症など)
白くこびりつく斑や赤い斑、硬いしこり、2週間以上治らない潰瘍が代表的なサイン。
徐々に大きくなる・出血しやすいなどの変化が見られたら注意が必要です。

歯周病・口内炎の予防習慣

歯磨きをする女性

正しい口腔ケア

毎日の基本は「歯磨き→フロス→歯間ブラシ→低刺激のマウスウォッシュ」。力任せに磨くと歯茎を傷つけるため、やわらかめのブラシで小刻みに。フロスは歯と歯の接触面、歯間ブラシはすき間に合わせたサイズ選びが重要です。夜のケアを最優先にし、仕上げに歯面のヌメリ(バイオフィルム)を落とす意識を持ちましょう。

乾燥対策と鼻呼吸の習慣化

唾液は天然の保護膜です。乾燥すると粘膜は傷つきやすく、治りも遅くなります。就寝時は加湿・口閉じテープの活用、日中はこまめな水分と唾液腺マッサージを。日頃から鼻呼吸を意識し、口呼吸のクセがある方は姿勢や就寝時の環境も見直しましょう。

食生活・禁煙・睡眠の見直し

唐辛子・アルコールなどの刺激物は炎症部位にしみやすく、治りを遅らせます。バランスの良い食事、特にたんぱく質・鉄・ビタミンB群を意識。喫煙は歯周病悪化と治癒遅延の大きな要因なので、禁煙・減煙を心掛けましょう。睡眠時間の確保も免疫低下を防ぐ重要な予防策です。

マウスウォッシュの選び方と注意点

刺激の少ないアルコールフリーを基本に。殺菌成分配合は一時的な悪化期に有効ですが、多用しすぎると乾燥を招くことがあります。あくまで補助と考え、歯面清掃(ブラッシング・フロス)を最優先に。しみるときは薄め、短期間だけ使うなど調整しましょう。

定期的な歯科検診で口腔内を健康に

定期検診の頻度と内容

目安は3〜6か月ごと(リスクが高い方は1〜3か月)。定期検診では、歯周検査(出血・ポケット・動揺)とプロのクリーニングで炎症源となるバイオフィルムを除去し、歯周病の進行を予防します。
あわせて、口の乾きの有無を確認するために、唾液の量や粘り(舌の湿り気・糸引き)、朝の口の渇き・いびきなどから口呼吸のクセをチェックし、必要に応じて保湿や鼻呼吸の指導を行います。さらに、噛み合わせ/入れ歯・矯正装置の当たり(こすれ)の調整で粘膜への刺激も減らします。

つまり「現状把握 → 原因ケア → 再評価」を定期的に回すことが、歯周病と口内炎の両方の発症予防と再発予防に直結します。

早急な受診が必要なケース

以下はいずれも早めの受診サインです。
・口内炎が2週間以上続く/年に数回以上繰り返す/同じ場所にできる
・強い痛み、広がる・大きくなる、発熱・しこりがある
・歯茎からの出血・腫れ・口臭が目立つ、歯が浮く・ぐらつく
・入れ歯・矯正装置・詰め物が当たって粘膜をこする感じがある
自己判断で長く様子を見るより、原因を切り分けて適切に対処するほうが早く・確実に改善へ向かいます。まずは検査で現状を確認しましょう。

歯周病や口内炎が気になる方は岡山市北区の大月歯科医院へご相談を

歯周病予防は、毎日の口腔ケアと定期検診の両方が大切です。歯と歯茎の健康を保つことで歯周病リスクを下げ、口内環境が整う=口内炎の予防にもつながります。
歯周病や口内炎が気になる方は、お気軽に岡山市北区の大月歯科医院へご相談ください。

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