コラム

歯磨き粉のフッ素濃度、あなたは正しく選べていますか?

フッ素とは?歯磨き粉に入っている理由

歯磨き粉

歯磨き粉には、推奨フッ素濃度というものがあるのをご存知でしょうか?この数値は、国が公的に定めたものではありません。日本小児歯科学会を含む4つの学会が合同で提唱しているもので、おそらく一般の方にはあまり知られていないでしょう。
今回は歯磨き粉のフッ素濃度について解説していきます。

フッ素の働きと虫歯予防のメカニズム

フッ素は、歯が溶けるのを抑え、再石灰化(歯の修復)を促す働きがあります。さらに歯質を強くするため、むし歯予防には欠かせません。歯科医院でのフッ素塗布はもちろん、ご自宅でもフッ素配合の歯磨き粉や洗口液を積極的に使って、むし歯を予防しましょう。

歯磨き粉にフッ素が使われる理由と役割

歯磨きによる虫歯予防は一般的ですが、その効果は歯磨き粉に配合されたフッ素によるもので、歯磨き行為そのものには虫歯予防効果がないとされています。またフッ素の虫歯予防効果は、フッ素濃度に比例することが研究で明らかになっています。

「フッ素無配合」の歯磨き粉との違い

フッ素が入っていない歯磨き粉でのブラッシング、つまり『素磨き』では、歯の汚れは落ちても虫歯の予防効果は期待できません。

フッ素濃度の単位「ppm」とは?

歯磨き粉を歯ブラシに付ける

ppmの意味と正しい読み方

フッ素濃度はppm(parts per million)という単位で表され、1ppmは100万分の1%を意味します。歯磨き粉や洗口液などに含まれるフッ素の濃度を示す際に使われます。

厚労省や学会が示す基準とは

市販の歯磨き粉に含まれるフッ素は、国の基準で1,500ppmが上限と定められています。ご自身の歯磨き粉を確認いただくとわかりますが、高価格帯のものでもこの基準を超えるものはなく、通常は1,450ppm程度となっています。

年齢別・リスク別|適切なフッ素濃度の目安

歯磨きをしている親子

子ども(0~5歳/6歳以降)のフッ素濃度の選び方

歯が生えてから~2歳:900ppm~1,000ppm
3歳~5歳:900ppm~1,000ppm
6歳以降:1,400~1,500ppm

成人・高齢者に適した濃度と注意点

成人・高齢者:1500ppm

虫歯になりやすい方や歯の根元が露出している方は、高濃度のフッ素配合歯磨き粉を使用することで、より効果的に虫歯を予防できます。

フッ素は本当に安全?過剰摂取と副作用の話

顔を押さえる男の子

フッ素症は本当に起きる

永久歯が作られる0歳から8歳頃までに、高濃度のフッ素を含む水を継続的に摂りすぎると、歯のエナメル質が白く濁る「フッ素症」になることがあります。歯のエナメル質に白い斑点や線が現れ、重症の場合には褐色調の着色を伴うこともあります。予防策としては、幼児には保護者の管理下で歯磨き粉を使用させる、飲料水のフッ素濃度が高い地域では、フッ化物添加水を避ける、幼児には保護者の管理下で歯磨き粉を使用させるなどが挙げられます。日本では、水道水のフッ素濃度は適切に管理されており、通常の使用でフッ素症になる心配はほとんどありません。しかし、幼児期にはフッ素の過剰摂取に注意が必要です。

子どもの誤飲リスク

「子どもがフッ素入り歯磨き粉を飲み込んでしまわないか心配」という声をよく耳にします。実際、フッ素入り歯磨き粉は、たとえ誤って少量飲み込んでしまっても、すぐに中毒症状が出るような危険なものではありません。リスクがまったくないわけではありませんが、それよりも高濃度のフッ素歯磨き粉でむし歯予防を強化するメリットの方がはるかに大きいと言えるでしょう。

歯科医師が教える「フッ素濃度の選び方」

歯磨き指導をする歯科衛生士

歯科医院で推奨される濃度

高濃度のフッ素配合歯磨き粉を探すなら、『薬用歯磨き粉 高濃度フッ素1450ppm配合』と表示されたものを選びましょう。必ず『医薬部外品』と記載されていますので、それが目印になります。

歯のセルフケアについてお悩みの方は岡山市北区にある歯医者「大月歯科医院」まで

歯科医師によるカウンセリング

今回は、歯磨き粉に含まれるフッ素の推奨濃度について解説しました。歯磨き粉のフッ素濃度は、今日からでも年齢に合わせて見直せます。ぜひ、ご自身の年齢に合ったものを選びましょう。

当院では、虫歯や歯周病を未然に防ぐため、模型や歯ブラシを使った実践的な歯磨き指導を行っています。お一人おひとりに合ったセルフケア用品もご紹介し、効果的なホームケアをサポートいたします。歯の虫歯・歯周病予防に関してお悩みの方は岡山市北区にある歯医者「大月歯科医院」までご相談ください。

また当院の予防歯科では、PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)を導入し、ご自宅での歯磨きでは難しい頑固な汚れも徹底的に除去します。専門知識と技術を持つ歯科医師が担当しますので、安心して予防治療に専念いただけます。

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